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少なくとも 最後まで 歩かない

ファルトレクトレーニング     ~知って活かす~

〜ファルトレクをもっと知りたい〜

11月のフルマラソン(大田原orつくば)を目標に、リディアードチャレンジをスタートして3週目に入りました。66歳になった身体でも、トレーニングに対してどんな反応が起こり、どこまでポテンショナルが高まり、どこまで成果(記録)が出るのか、楽しみと不安が交差しています。

このチャレンジは、今年1月からランニングアドバイザー(日本ランニング協会認定)として活動できるようになってから、自分の言動や行動に責任を感じ、自らをモルモット化して、臨床(実走)実験(実証)が必要と思ったからです。

 

リディアードはファルトレクトレーニングを非常に重宝しています。

ピラミッド(期別)の最終調整を除いて全てのプログラムにファルトレクを折り込んいます。

リディアードは「ハード・ファルトレク」と「イージー・ファルトレク」とに区別しています。

①ハード・ファルトレク

無酸素ランニングに首を突っ込む感じの、枠にはめない形のインターバル(無酸素トレーニング)により、無酸素能力の向上に効果がある。

②イージー・ファルトレク

疲労回復、有酸素能力の維持、速い走りに脚を慣らす等、多種に渡っての恩恵がある。そして、起伏や不整地をコースに取り入れたり、気分に合わせて速さや長さを工夫することによって、「脚のストレッチ」、さらにはロングランで疲れた脚を活性化させる意味で非常に効果がある

だからか、他のトレーニングに比べてトレーニング効果としての重要度は低く、週7日走るメニューでは5〜7番目です。さらには、無酸素能力向上トレーニング期では最重要のインターバルの前後日に入れている。なので、ポイント練習間のリカバリーや調整的な位置づけだと感じました。

ファルトレクはやり方によって、様々な効果があり、リディアードは特にイージー・ファルトレクを重要視していることは解っても、リディアードはその具体的やり方を示していません。

なので、ファルトレクトレーニングをはじめから掘り下げ理解することで、トレーニングの期別毎に、一番効果的なやり方(メニュー)を考え実施する必要があると思い、あらためてファルトレクそのものを考察してみました。

 

1 ファルトレクの生い立ち

もう80年以上前の戦前に、フィンランドでファルトレクは生まれました。

語源はファルト(スピード・速度)+レク(レクリエーション・遊び)。英訳だとスピードプレイとなります。子供たちが速度を上げたり下げたりしながら遊ぶゲームです。

~日本の鬼ごっこに似てるかな~

当時、運動生理学の研究をリードしていたのが、フィンランドスウェーデンといった北欧で、戦前の世界大会で北欧の選手がメダルを独占するほど強いのは、子供のころからファルトレクで遊んでいたからだろうということで、戦後になって東ドイツの運動生理学者がこのファルトレクを体系化したのがインターバルトレーニング。それを実践したチェコのエミール・ザトベックがヘルシンキ(1952年)オリンピックで5000・10000・マラソンで金メダルを獲得したので、インターバルトレーニングが一躍世界中に大流行となる。

~ファルトレクは最近になってよく紹介されているので、てっきりインターバルの方が先だと思っていました~

その後、リディアードが「皆、インターバルトレーニングをやり過ぎだ!」と唱えだした。

~ここから、リディアードのファルトレクとインターバルの捉え方の違いが生まれたのかな~

 

 

<以下、ランナーズワールド(イギリス版)から紹介します。>

2 ファルトレクランとは

ファルトレクランは、ペースを自由に変える走り方で、本質的には体系化されていないスピードワーク。速いペースや楽なペースで一定時間を走り続ける(インターバルトレーニングのような休憩時間はない)。
測定には時間を基準として、速いペースで1分走ってから楽なペースで3分走ってもいいし、距離を基準にして、速いペースと楽なペースで1kmずつ走ってもいい。
ファルトレクは、ランナー自身がコントロールしやすいメソッド。さまざまなペースと距離を速いペースで走るもよし、細かく決めずに気の向くまま走るもよし。

 

3 他のスピード強化トレーニングとの違い

テンポランでは、一定のペースを維持しながら、“無理のない範囲内でハードに”走る。通常は、1.5kmを5kmマラソンのペースより20~45秒遅めに走るか、1時間キープできそうなペースで走る。
インターバルトレーニングでは、ハードなワークアウトを短時間行ってから、それと同等または少し長めのリカバリータイム(のんびりしたジョギングをしてもいいし完全に休んでもいい時間)を設ける。一例として、5kmマラソンのペースで400mを8回走った場合は、それに要したのと同じ時間をリカバリーに充てる。

 

4 ファルトレクランをルーティンに加えるべき理由5

1.いい足掛かりになる
ファルトレクランは、日頃のトレーニングの中でペースアップや強度アップを図りたい人にオススメ。新しいトレーニングを始めた最初の数週間で体系的なファルトレクランを用いれば、目標のレースが近づくにつれ身体的・心理的な負荷が増したときでも、体がうまく適応する。

2.本番の感覚が味わえる
インターバルトレーニングは効果的。でも、本番のレースでは足を止めて休めないし、一定のペースが保たれることはまれ。一方のファルトレクランでは完全な休憩がなく、レース中の自然なペース変動が体験できるので、本番の練習になる。

3.自分でコントロールしやすい
コーチのもとでは迷わなくて済むし、モチベーションが保ちやすい。でも、ファルトレクトレーニングの主導権はランナー自身にあるので、その日の体の感覚に合わせてセッションの中身を変えられる。レース当日は、ペースを上げろ/下げろと指示してくれるコーチがいない。ファルトレクトレーニングでは、そのスキルが習得できる。

4.トレーニングが楽しくなる
ファルトレクランはトレーニングを楽しくする。内容をガッチリ固めず、多様な地形と起伏のあるルートを走って。GPSのプレッシャーを終始感じながら走る代わりに、自分の体の感覚を信じよう。

5.有酸素機能にフォーカスできる
5km以上のレースでは有酸素エネルギーだけが頼り。ファルトレクトレーニングでは“リカバリー”中も走り続けなければならないので、有酸素機能が一段と向上するだけでなく、体が乳酸を燃料として再利用できるようになる。

 

5 ファルトレクトレーニングをルーティンに組込方法7

ファルトレクの一番の魅力は、“ルール”がないこと。でも、以下のガイドラインを参考にすれば、時間帯効果が上がるはず。

1.走り続ける
ファルトレクトレーニングでは、走り続けなければならない。それがインターバルトレーニングとの大きな違い。途中で止まったり歩いたりする必要があるときは、ペースを上げすぎているからかも。ペースを落とし、“リカバリー”中も走り続けられるようにして。

2.自分の感覚を信じる
ファルトレクランでは、GPSや心拍数より自分の感覚を信じること。ペースを上げたときは7~9/10、下げたときは4~6/10の疲労度で走ってみよう。

3.焦らない
人間は確実なシステムに従うことを好むので、ファルトレクランを始めると、最初は不安になるかもしれない。頑張りすぎて足が止まってしまったり、ペースをコロコロ変えすぎたり。ファルトレクトレーニングは時間をかけて習得するもの。だから、諦めずに続けてみよう。トレーニング日記をつけて、うまくいったことと、いかなかったことを書きとめる習慣をつければ、現状が見える化するし、だんだんコツがつかめてくる。

4.身近な環境を利用する
身の回りの環境もセッションの一部にしよう。丘の上までダッシュして、次の街灯に到達したら、ゲートまではのんびり走る。身の回りにあるものでセッションの中身を決めて。また、オフロードや起伏のある道を走れば、GPSではなく、自分の感覚を重視しやすい。

5.目標にフォーカスする
レーニングの方法は無数にある。速いペースで30~60秒走ってから、しばらく楽なペースで長く走ったり、一定のペースで走ったり、Tペース(いき値)走をしたり。短いリカバリーを挟みながら、5~20分走るのもあり。目標のレースのニーズを頭に入れて。マラソン大会出場を目指しているなら、目標のペースに近い速めのペースで長距離を走ってみるといいかもしれない。ランニングを始めたばかりの人や、短距離レースを目標としている人は、ペースを変えながら30秒~4分走ってみよう。

6.フロートする
リカバリー中のランニングは、頑張っているときと同じくらい重要。ファルトレクトレーニングの難易度を上げたいときは、“フロート”リカバリーにトライしてみて。速いペースで走ったら、軽いジョギングより速い一定のペースで走る(これをリピート)。リカバリーをハードにすれば、負荷が高まる。

7.リカバリーを大事にする
ファルトレクトレーニングはフレキシブル。でも、ハードなことには変わりないので、リカバリーをないがしろにしてはいけない。ファルトレクトレーニングをしたら、少なくとも1日は体を休めて(ほとんどのランナーは、2~3日置いたほうがいい)。

 

6 主要なファルトレクトレーニング5選

1.フリーファルトレク
この方法なら、最も自然かつ効果的にファルトレクトレーニングを始められる。地形に幅があるルートを選び、15秒~4分間隔で10~25回ペースアップ。街灯や丘などを目標物にしてもいい。リカバリー中は、のんびりと一定のペースで走る。

2.ブリッジングファルトレク
レーニングプランの初期段階で導入すれば、インターバルトレーニングへの橋渡しになる。速いペースで30秒、安定したペースで90秒を10~15回繰り返す。最終的には、速いペースと安定したペースを1分ずつ走れるようになるといい。ウォームアップとクールダウンも忘れずに。

3.“モナ”ファルトレク
オーストラリア出身の長距離ランナー、スティーブ・モネゲッティが行った42分のトレーニングで、使い勝手がいいのが特徴。短距離にフォーカスするなら、オフタイム(少し楽に走る時間)のペースを落として、オンタイム(一生懸命走る時間)のペースを上げる。長距離にフォーカスするなら、オフタイムを一定のペースで走る。

ウォームアップ 10分
オンタイム90秒+オフタイム90秒を2回
オンタイム60秒+オフタイム60秒を4回
オンタイム30秒+オフタイム60秒を4回
オンタイム15秒+オフタイム15秒を4回
クールダウン 10分

4.ミックスペース
5~10kmのレースやクロスカントリーのトレーニングに向いている。時間を6分から1分ずつ減らす一方で、ペースを毎回上げていく。一定のペースで走るオフタイムを90秒ずつ間に挟んで。あるいは、3分→2分→1分を4セット行って、60~90秒のオフタイムを挟んでもいい。

5.マラソン向け
厳密にはファルトレクではないけれど、このトレーニングをすれば、マラソンの最後の10kmが楽になる。マラソンのペースで4kmを4~5セット(セット間のオフタイムは1km)。または、75~90分のコースを選び、そのうちの60分をマラソンより少し遅いペースとマラソンより少し速いペースで3分ずつ交互に走る。

ランナーズワールド(イギリス版)~

https://www.runnersworld.com/uk/training/a36362823/fartlek-run/

 

以上、ファルトレクトレーニングの趣旨を自分なりに整理できてきました。

これからのリディアードチャレンジに活かし、効果測定していきたいと思います。

~できるかな、やってみよう~